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フィリピン駐在員の医療保険事情|PhilHealthよりクレカ付帯保険が実用的だった

フィリピンに7年いて、幸いなことに大きな病気や怪我はなかった。病院に行かずに済んだというのが正直なところで、医療保険の出番はほとんどなかった。会社経由でPhilHealthとHMOに加入していたが、実際に使う機会がなかった分、どこまでカバーされるのかを肌で理解できないまま帰国した。結果的に一番役に立ったのはクレジットカードの付帯保険だった。

フィリピン駐在員の医療保険事情|PhilHealthよりクレカ付帯保険が実用的だった

はじめに

フィリピンに駐在する日本人が必ず直面するのが医療保険の問題だ。筆者はマカティに7年在住したが、結論から言うと実際に役立ったのはクレジットカードの付帯保険だった。PhilHealthは会社経由で加入していたものの、7年間一度も使わなかった。


フィリピンの医療保険の種類

PhilHealth(国民健康保険)

フィリピンの公的医療保険制度だ。就労ビザで働く外国人も加入が義務付けられており、会社経由で自動的に加入する。

保険料は給与の一定割合から控除される仕組みで、雇用主と労働者の双方が負担する形になっている。金額は給与水準によって変わる。

PhilHealthは主にフィリピン国内の公的・民間の指定医療機関での入院・手術・特定の検査費用をカバーするものだ。しかし外国人がマカティで実際に利用する高品質な私立病院(Makati Medical Centerなど)との連携が限られており、手続きも煩雑になる。退職・帰国時には脱退手続きが必要になるが、具体的な手順は会社の人事を通じて確認することになる。

筆者の実態:会社で加入していたが、7年間一度も使わなかった。

民間医療保険(HMO)

会社が提供する民間保険として、HMO(Health Maintenance Organization)がある。フィリピンでは会社が従業員向けにHMOを提供しているケースが多く、駐在員も加入対象になることがある。

HMOは加入者が使える病院リストが事前に定められており、そのリスト内の医療機関での受診や入院をカバーする仕組みだ。マカティ周辺の主要な私立病院がHMOのリストに入っているケースが多く、PhilHealthよりも実用的な場面が多い。

ただしHMOでカバーされる内容には上限や除外事項があり、高額な治療費が発生した場合には自己負担部分が残ることがある。また、歯科・眼科は別プランになることが多い。筆者の在職中は会社のHMOとクレカ付帯保険を組み合わせて対応していた。

クレジットカード付帯保険

日本のクレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険だ。筆者が実際に使ったのはこれだ。


なぜPhilHealthを使わなかったのか

PhilHealthは公的保険だが、駐在員・外国人にとって実用的とは言えない面がある。対応している医療機関が限られ、手続きが煩雑で、マカティメディカルなど高品質な私立病院での使い勝手が悪い。マカティで生活する駐在員の多くは、PhilHealthよりも民間保険やクレカ付帯保険をメインで使っているのが実態だ。


クレジットカードの付帯保険

実際に使ったカード

筆者が実際にフィリピン在住中に付帯保険として活用していたのは楽天プレミアムカードとJALゴールドカードだ。どちらも海外旅行傷害保険が付帯しており、医療費のカバーに活用できた。

クレカ付帯保険には「利用付帯」と「自動付帯」の2種類がある。利用付帯は、旅行代金や航空券などをそのカードで支払った場合にのみ保険が有効になるタイプだ。自動付帯は、カードを所持しているだけで保険が適用される。長期滞在の場合は自動付帯の方が確実で、自分のカードがどちらのタイプかを事前に確認しておくことが重要だ。

保険の上限額はカードの種類によって大きく異なる。一般的なゴールドカード以上のランクであれば、外来・入院・手術など一定の医療費をカバーできる水準のものが多い。詳細はカード会社に確認してほしい。

キャッシュレス対応

マカティメディカルのジャパニーズヘルプデスクでは、クレジットカードを持参することでキャッシュレス(支払い不要)での受診が可能だった。病院での支払い手続きをヘルプデスクが代行してくれる形で、受診後に保険会社への請求も対応してもらえた。

クレカ付帯保険の注意点

長期駐在の場合は有効期限に注意が必要だ。クレカ付帯保険には「入国から○日以内」という有効期限があるカードもあり、長期滞在では保険が適用されない期間が生じる可能性がある。自分のカードの条件を事前に確認した上で、長期滞在向けには別途民間保険との併用を検討することが現実的だ。歯科・健康診断はクレカ付帯保険の対象外になることが多い点も覚えておく必要がある。


クレカ付帯保険でマカティメディカルを使った

筆者が実際に複数回利用したのが**マカティメディカルセンター(Makati Medical Center)**だ。マカティのレガスピビレッジにある私立病院で、設備・英語対応ともに充実している。駐在員・外国人が多く利用する病院のひとつだ。

日本人ヘルプデスクが超便利

マカティメディカル内にはジャパニーズヘルプデスクが常駐している。クレジットカードを持っていくだけで、適切な専門医の選択・予約、診察中の通訳サポート、処方箋の日本語訳、キャッシュレス手配(支払い不要)、薬の手配まで全部やってくれる。英語に自信がなくてもまったく問題ない。

連絡先:

  • 電話:02-8817-1289(24時間対応)
  • 場所:Tower 1, 2階, Hall C
  • 対応時間:月〜土 8:30〜17:30

マカティ周辺の主要病院

Makati Medical Center

マカティのレガスピビレッジにある私立病院。日本人ヘルプデスクが常駐しており、駐在員に最もなじみの深い病院だ。英語対応・設備ともに充実している。

St. Luke's Medical Center(BGC)

BGCに立地する高品質の私立病院だ。設備が充実しており、外国人の利用も多い。マカティからはタクシーかGrabでアクセスすることになる。

The Medical City(オルティガス)

マカティから少し離れたオルティガスエリアにある私立病院で、幅広い診療科を持つ総合病院だ。マカティ在住の場合は距離があるが、専門性の高い診療が必要な場合に選択肢に入る。

いずれの病院も英語対応が充実しており、外国人が受診しやすい環境が整っている。救急・夜間の対応も各病院で行っている。


実際の使い勝手

風邪・軽い病気

風邪での受診を複数回したが、クレカ付帯保険で全額カバーでき手続きもスムーズだった。

インフルエンザ

フィリピン在住中にインフルエンザにもかかった。マカティメディカルのジャパニーズヘルプデスクに行くだけで、日本と同じ感覚で受診できた。費用もクレカ付帯保険で全額カバーできた。熱が出て体がつらい状況でも、日本語で対応してもらえるので本当に助かった。

結論:マカティ在住の駐在員ならクレカ+ジャパニーズヘルプデスクの組み合わせが最強だ。


ジャパニーズヘルプデスクに行く際の持ち物

必須の持ち物は2つだけだ:

  • クレジットカード(付帯保険が使えるもの)
  • パスポート(入国日の確認に必要)

パスポートが必要な理由は、クレカ付帯保険に「入国から○日以内」という有効期限があるためで、入国日を証明するためにパスポートの入国スタンプを確認される。


駐在員向け医療保険の選び方

保険の種類 メリット デメリット
PhilHealth 会社加入・低コスト 使い勝手が悪い
クレカ付帯 手続き簡単・全額カバー 長期滞在は要注意
民間保険(HMO) 充実したカバレッジ コストが高い

駐在初期はクレカ付帯保険でカバーしつつ、長期化する場合は民間保険を検討するのが現実的な選択肢だ。


7年間の医療体験から感じたこと

フィリピンでの医療体験を通じて感じたのは、日本とは異なる準備が必要だということだ。日本では健康保険証一枚で病院に行けるが、フィリピンでは保険の仕組みが複数あり、どの保険がどの病院でどのように使えるかを事前に把握しておく必要がある。

マカティメディカルのジャパニーズヘルプデスクは、その点でのハードルを大きく下げてくれた存在だった。言語の壁・保険の手続き・専門医の選択という三つの問題をまとめて解決してくれる窓口があることで、体調が悪い状況でも受診のハードルが低くなった。帰国後も、同様のサポート体制の有無が病院選びの重要な基準になっている。

クレカ付帯保険は渡航前に加入手続きが不要で、カードを持参するだけで使えるシンプルさが魅力だ。駐在が決まったタイミングで自分の保有カードの付帯保険の内容を確認しておき、不十分な場合はゴールドカード以上へのアップグレードや、別途民間の海外保険加入を検討することをおすすめする。フィリピンは医療費が日本より安い場面もあるが、私立病院での緊急治療ともなれば数十万円単位の費用が発生することもある。備えを事前に整えておくことに越したことはない。

まとめ

フィリピン駐在員の医療保険はクレカ付帯保険が意外と使えるというのが7年間の実感だ。マカティメディカルなど英語対応の私立病院であれば、クレカ付帯保険でスムーズに対応できた。PhilHealthは加入義務があるが、実際の医療費カバーはクレカ付帯保険か民間保険がメインになると思っておいた方が良い。

※この記事は医療アドバイスではありません。保険の選択は必ずご自身の状況に合わせてご判断ください。

※この記事は2013〜2020年の体験をもとにしています。現在の制度・保険内容は変更されている可能性があります。必ず最新情報をご確認ください。