はじめに
筆者はマカティ駐在中にBPIとBDOの両方で口座を開設しました。この記事ではBDOの口座開設手順と、実際に使ってみた感想をお伝えします。
必要書類
- パスポート(原本)
- ACR Iカード(外国人登録証)
- 証明写真
BPIと必要書類はほぼ同じです。ACR Iカードが必須なのも同様。
開設の難易度
BPIとほぼ同じ難易度でした。書類さえ揃っていればスムーズに進みます。
開設の流れ
- マカティ支店へ直接来店
- 窓口で口座開設を申し出る
- 書類提出・申込書記入
- 初期入金
- 後日キャッシュカード受け取り
口座開設当日の流れ(時系列)
書類を手元に揃えた状態で、開設当日の流れをより詳しく説明します。
午前中の来店がおすすめ フィリピンの銀行窓口は昼前後から込み合う傾向があります。筆者は午前10時頃に来店し、待ち時間をほとんど感じずに済みました。平日の午前中が最もスムーズです。
入口のセキュリティガードに声をかける フィリピンの銀行はほぼすべてでセキュリティガードが入口に立っています。「I'd like to open an account.」と伝えると、受付に案内してくれます。荷物のセキュリティチェックがある支店もあります。
番号札を受け取り待機(所要:10〜30分) 受付で口座開設の旨を伝えると番号札が渡されます。混雑状況によりますが、筆者の体感では10〜30分程度の待ち時間でした。支店内で待つ間、申込書の下書きをしておくと後がスムーズです。
担当バンクオフィサーとの面談(所要:20〜40分) 呼ばれたら担当スタッフの席へ移動します。口座の種類(普通預金)を確認され、書類の提出と申込書への記入を行います。口座の目的(個人用か給与振込用かなど)を簡単に聞かれることもあります。
初期入金(所要:5〜10分) 申込書が完成したら、初期入金のためにキャッシャー(レジ窓口)へ案内されます。現金でPHP 2,000〜5,000程度を入金し、デポジットスリップを受け取ります。
口座番号の確認と完了 口座番号が記載されたスリップまたは仮通帳を受け取り、手続き完了です。ATMカードは後日の受け取りまたは郵送となります。全体の所要時間は混雑具合にもよりますが、筆者の経験では1〜2時間ほどでした。
窓口スタッフとのやり取り
英語での手続きに不安を感じていた時期、筆者が実際に使ったフレーズを紹介します。
- 口座開設を申し出るとき:「I'd like to open a savings account.」
- 必要書類を確認するとき:「What documents do I need?」
- ACRカードについて説明するとき:「I have an ACR I-Card. Is this acceptable as an ID?」
- ATMカードの受け取りを確認するとき:「When can I receive my ATM card? Will it be sent by mail?」
- 最低残高を確認するとき:「What is the minimum average daily balance for this account?」
フィリピン人のバンクオフィサーは英語が堪能で、ゆっくり話せば問題なく通じます。聞き取れなかった場合は「Could you repeat that, please?」か「Could you write it down?」とお願いすれば書いて見せてくれることがほとんどです。個人的な印象として、BDOのスタッフは外国人の対応に慣れており、こちらが英語に不慣れでも丁寧に対応してくれました。
開設後にもらえるもの
口座開設手続きが完了すると、以下のものが渡されます(支店・時期によって異なります)。
| もらえるもの | タイミング | 備考 |
|---|---|---|
| 口座番号スリップ / 仮通帳 | 当日 | 口座番号と初期残高が記載 |
| ATMキャッシュカード | 数日〜2週間後 | 支店受け取りまたは郵送 |
| ウェルカムレター | 当日または郵送 | 口座情報・利用規約の概要 |
| デポジットスリップ | 当日 | 初期入金の控え |
ATMカードが手元に届くまでの間は、窓口での入出金や振込が中心になります。筆者はカードが届くまでの約1週間、BPI口座で日常の現金管理を行っていました。
BDO最大の強み:日本人窓口
BDOのマカティ支店には日本人スタッフによる窓口があります。英語に自信がない方や赴任直後で不安がある方には非常に心強いです。
日本人窓口の具体的な場所・使い方
筆者が利用していた当時、BDOの日本語対応窓口はマカティのアヤラ通り周辺の支店(主にMakati CBD内の主要支店)に設置されていました。すべての支店にあるわけではないため、訪問前にBDOのカスタマーサービス(フリーダイヤルまたはメール)で日本語対応支店を確認することをおすすめします。
日本語で対応してもらえる主な手続き:
- 口座開設時の書類説明・質疑応答
- 残高証明書の発行(ビザ申請・賃貸契約時などに使用)
- 住所変更・氏名変更などの届出手続き
- オンラインバンキングのトラブル対応
日本人スタッフの在席日・時間帯は変動するため、体感として「来店前に電話で確認する」のが最も確実でした。来店時に「日本語対応の方はいますか?(Is there a Japanese-speaking staff available?)」と入口のガードまたは受付に声をかければ、案内してもらえます。
BDOオンラインバンキングの登録手順
口座開設後は、BDO Online Bankingへの登録をすませておくと日常の振込・残高確認が格段に便利になります。
登録の手順(概要):
- BDO公式サイト(bdo.com.ph)にアクセスし、「Online Banking」または「Enroll Now」を選択
- 口座番号・ATMカード番号・生年月日などの基本情報を入力
- 登録メールアドレス・電話番号を設定(認証コードが送られてきます)
- ユーザーID・パスワードを設定して登録完了
- 初回ログイン後、セキュリティ設定を確認
画面はすべて英語ですが、操作フロー自体はシンプルです。筆者は口座開設から数日後にATMカードが届いてすぐ登録し、それ以降は窓口に行かずにほとんどの手続きをオンラインで済ませていました。ただし、残高証明など公式書類が必要な手続きは引き続き窓口が必要です。
口座維持に必要な最低残高と手数料
BDO普通預金口座(Regular Savings Account)の維持には、月次の平均残高(ADB:Average Daily Balance)が一定水準を下回らないよう管理する必要があります。
| 項目 | 目安(筆者在籍当時) |
|---|---|
| 最低ADB | PHP 2,000前後 |
| ADBを下回った場合の月次手数料 | PHP 300前後 |
| 初回最低入金額 | PHP 2,000〜5,000前後 |
※金額は2013〜2020年当時の情報です。現在の条件はBDO公式サイトでご確認ください。
サブ口座として保有していた筆者のBDO口座は、意識して残高を管理しないと手数料が発生しそうになる場面が何度かありました。月末に残高確認をする習慣を持つことをおすすめします。
BDOキャッシュカードの使い勝手(ATM・コンビニ)
BDOのATMカードはBancNetネットワークに対応しており、BDO自行のATMに加え、BancNet加盟の他行ATMでも利用できます。
ATMの設置場所: SMモール、ロビンソンズ、マクタン・ニノイ・アキノ国際空港(NAIA)など主要な場所には必ずと言っていいほどBDOのATMがあります。マカティのオフィス街でも多数見かけます。ただし体感として、アヤラ通り沿いの繁華街周辺ではBPIのATMの方が目につく機会が多かったです。
コンビニのATM: フィリピンのセブン-イレブンにはATMが設置されている店舗があり、BancNet対応のBDOカードで引き出し可能です。深夜や休日など銀行ATMが使いにくい時間帯にも対応できるのは便利でした。他行ATMを使う場合は1回あたりPHP 15前後の手数料がかかります。
引き出し上限: 1回あたりの引き出し上限・1日の合計上限はATMごと・カードの種類ごとに異なりますが、通常の普通預金カードはPHP 10,000〜20,000/回が目安です。大きな現金が必要なときは窓口での引き出しが確実です。
BPIとの使い分け
BDOも開設しましたが、日常的にはBPIをメインに使っていました。BDOは重要な手続きの際に日本人窓口を活用するサブ口座として保有。
BPIと比べてBDOを選ぶメリット・デメリット
| 比較項目 | BDO | BPI |
|---|---|---|
| 日本語対応窓口 | あり(マカティ特定支店) | なし |
| マカティ中心部のATM数 | 多い(やや体感BPI以下) | 多い |
| オンラインバンキングの使いやすさ | 普通 | やや使いやすい印象 |
| Wise等との国際送金連携 | 可能 | やや手続きがスムーズな印象 |
| 英語対応力 | 問題なし | 問題なし |
BDOを選ぶメリット:
- 日本語対応窓口を活用できる(赴任直後・重要手続き時)
- 全国規模のATMネットワーク(地方都市での出張でも使いやすい)
- 会社指定口座がBDOの場合に対応できる
BDOを選ぶデメリット:
- 日本語窓口は特定支店のみ・常に在席とは限らない
- オンラインバンキングの使い勝手はBPIに若干劣る印象
- マカティ中心部での体感ATM遭遇率はBPIよりやや低い
筆者の個人的な印象では、「BDOはいざというときの安心のためのサブ口座」という位置づけが7年間を通じて変わりませんでした。
駐在員・現地採用・留学生それぞれへのアドバイス
駐在員の方へ: 赴任直後の英語に不安を感じる時期には、BDOの日本語窓口が精神的な安心感をもたらします。まずBDOで口座を開き、生活が落ち着いてからBPIも開設して使い分けるのが、筆者がたどり着いた理想形です。会社の給与口座がBDO指定の場合はそのまま活用し、ATM用にBPIをサブで開設する選択肢も検討してください。
現地採用の方へ: 英語での手続きにある程度慣れている場合はBPIでも問題ありませんが、最初の口座はBDOにしておくと重要な手続き(ビザ更新・賃貸契約での残高証明など)で日本語サポートを受けられる安心感があります。
留学生の方へ: 短期留学(半年〜1年)であれば、最低残高の管理をしやすい口座形態かどうかを確認した上で開設してください。帰国後の口座管理が難しくなることもあるため、解約手続きの方法も事前に把握しておくことをおすすめします。滞在が短期の場合は、ACR Iカードが発行されるかどうかも事前に確認が必要です。
まとめ
日本語で手続きを進めたい方には、BDOの日本人窓口は大きなアドバンテージです。赴任直後など英語に不安がある時期にまず開設しておく価値があります。
※この記事は2013〜2020年の体験をもとにしています。現在の手順・必要書類は変更されている可能性があります。必ずBDO公式サイトでご確認ください。