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BPI・BDO口座開設

BPI(Bank of the Philippine Islands)口座開設ガイド|マカティ駐在員の実体験(2013〜2020年)

給与受け取りのメイン口座としてBPIを7年使った実体験をもとに、外国人の口座開設手順・必要書類・BDOとの比較・BPI Trade連携までまとめて解説します。ACR Iカードの準備が最大のポイントです。

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はじめに

この記事は、筆者がフィリピンの日系企業に駐在員として勤務していた7年間(2013〜2020年)の実体験をもとにしています。給与はペソ払いで、メインの受け取り口座としてBPIを使っていました。日本語情報がほとんどなく苦労したので、同じ境遇の方の参考になれば。

BPI口座を開設したきっかけは、BPI TradeでPSE(フィリピン証券取引所)の株式投資をしたかったことでした。BDO口座はすでに持っていましたが、BPI TradeはBPI口座と連携していないと使えません。給与受け取りと株式投資、両方の目的でBPI口座が必要になったというのが実際の経緯です。

BPIとはどんな銀行か

BPI(Bank of the Philippine Islands)は1851年創業のフィリピン最古の民間銀行だ。フィリピンの商業銀行の中でも特に歴史が長く、ブランドとしての信頼性が高い。フィリピン有数の財閥であるAyalaグループの傘下に入っており、Ayalaグループが手がけるマカティやBGCの不動産・商業施設との親和性も高い。

BDOと比較したときの特徴として、支店数・ATM台数はBDOに劣るが、オンラインバンキングとモバイルアプリの使いやすさではBPIに軍配が上がるという評価が一般的だ。BDOがATMと支店の物理的な多さで利便性を高めているのに対して、BPIはデジタル面の完成度で差別化している印象がある。

マカティCBDにもBPIの支店・ATMが複数あり、外国人駐在員の利用者も多い。Ayalaグループが運営するショッピングモール(グリーンベルトなど)の周辺にはBPIのATMが設置されており、マカティ在住者にとってのアクセスは十分に確保されている。

筆者がBPIを選んだ理由は、マカティのビジネス街に支店・ATMが多く給与振込先として一般的だったこと、そして後述するBPI Tradeとの連携で投資までまとめて管理できることだった。

必要書類

  • パスポート(原本)
  • ACR Iカード(外国人登録証)
  • 証明写真

最大のハードル:ACR Iカードです。これがないと口座開設できないので、フィリピン入国後まず先にACR Iカードを取得しておきましょう。

各書類の入手と注意点

パスポートは顔写真ページとビザページのコピーが必要で、有効期限が十分に残っているかを事前に確認しておく。

ACR-Iカードの具体的な取得手順は次章で詳しく説明する。

TIN(Tax Identification Number:税務番号)はBIR(Bureau of Internal Revenue:歳入庁)で取得する。就労ビザで雇用されている場合は雇用主経由で発行されていることが多いが、確認が必要だ。TINは口座開設の要件として求められることが多く、先に取得しておくとスムーズに進む。

なお、BDOと比べるとBPIは書類確認がやや厳格な印象がある。同じ書類でもBDOでは通ったものがBPIでは追加確認を求められる、担当者が本部に照会を取るといった場面もあった。

ACR Iカード取得の具体的な手順と注意点

ACR Iカード(Alien Certificate of Registration Identity Card)は、フィリピンに59日以上滞在する外国人が取得を義務付けられている外国人登録証です。フィリピン移民局(Bureau of Immigration:BI)が発行します。

取得の基本的な流れ:

  1. 移民局(BIメインオフィス:マニラのイントラムロス地区、またはNAIA内オフィス、各地方支局)に来局
  2. ACR Iカード申請書を入手・記入(英語)
  3. パスポート・ビザのコピー、証明写真を添付して窓口に提出
  4. 手数料を支払い(金額は滞在目的・ビザ種別によって異なります)
  5. 仮の証明書を受け取り、ACR Iカード本体を後日受け取り(または郵送)

注意点:

  • 来局時は終日混雑しており、数時間待ちになることも珍しくありません。午前中の早い時間帯に来局することをおすすめします。
  • 申請から実際にカードが手元に届くまで、数週間〜1ヶ月以上かかる場合があります。赴任直後に「まず銀行口座を作りたい」と思っても、ACR Iカードの準備期間が想定外に長くかかることがあります。
  • 会社の総務担当が手続きをサポートしてくれるケースも多いため、赴任前に確認しておくと安心です。
  • ACR Iカードには有効期限があります。ビザの更新に合わせてカードも更新が必要なため、期限切れに注意してください。銀行口座の維持にも影響する可能性があります。

初期入金

3,000〜5,000ペソが目安。口座維持のため一定残高をキープする必要があります。

開設の流れ

  1. マカティ支店へ直接来店
  2. 窓口で口座開設を申し出る(英語対応)
  3. 書類提出・申込書記入
  4. 初期入金
  5. 後日キャッシュカード受け取り

口座開設当日の流れ(時系列)

書類が揃ったら、来店当日の具体的な流れを把握しておくと安心です。

午前中の来店がおすすめ フィリピンの銀行は昼前後から込み合う傾向があります。筆者は午前10時頃を目安に来店しており、待ち時間を最小限に抑えられることが多かったです。

セキュリティガードに声をかける 入口では必ずセキュリティガードがいます。「I'd like to open an account.」と伝えると、番号札の受け取り場所や受付に案内してもらえます。フィリピンの銀行はセキュリティが厳しく、荷物のチェックがある支店もあります。

番号札を受け取り待機(所要:10〜40分) 受付で口座開設の旨を伝えると番号札が渡されます。混雑具合によって待ち時間は10分〜40分程度と幅があります。待つ間に持参した書類を整理し、英語の申込書を事前に読んでおくとスムーズです。

バンクオフィサーとの面談(所要:20〜40分) 番号を呼ばれたら担当スタッフの席へ。口座の種類(通常は普通預金:Regular Savings Account)の確認、書類の照合、申込書への記入を行います。筆者の体感では、書類に不備がなければこのステップは20〜30分で終わりました。

初期入金(所要:5〜10分) 申込書が完成するとキャッシャー(入出金窓口)に案内されます。現金でPHP 3,000〜5,000を入金し、デポジットスリップを受け取ります。

完了・口座番号の受け取り 口座番号が記載されたスリップを受け取り、手続き完了です。全体の所要時間は平均1〜2時間ほどでした。

窓口スタッフとのやり取り

英語でのやり取りが必要と聞いて不安になる方も多いと思いますが、フィリピン人スタッフは英語に堪能で、外国人の対応にも慣れています。筆者が実際に使ったフレーズをご紹介します。

  • 口座開設を申し出るとき:「I'd like to open a savings account.」
  • 書類を提示するとき:「Here are my passport, ACR I-Card, and photos.」
  • ビザ種別を説明するとき:「I'm here on a working visa. I'm employed by a Japanese company.」
  • 最低残高を確認するとき:「What is the minimum maintaining balance?」
  • ATMカードの受け取りを確認するとき:「When can I receive my ATM card? Can I pick it up here?」

聞き取れなかった場合は「Sorry, could you repeat that?」または「Could you write it down?」と伝えると、紙に書いてくれるスタッフがほとんどです。英語がたどたどしくても、意思は十分に伝わります。個人的な印象として、BPIのスタッフは外国人の口座開設に手慣れており、必要なことは向こうから順を追って案内してくれました。

開設後にもらえるもの

口座開設が完了した当日に受け取れるものと、後日受け取るものに分かれます。

もらえるもの タイミング 内容
口座番号スリップ 当日 口座番号・支店コードが記載
デポジットスリップ 当日 初期入金の控え
パスブック(通帳) 当日または後日 残高・入出金記録(支店で記帳)
ATMキャッシュカード 1〜2週間後 支店での受け取りまたは郵送
ウェルカムキット 当日または郵送 利用規約・手数料一覧など

ATMカードが手元に届くまでの間は、現金の引き出しに窓口が必要になります。筆者はカード到着まで1週間ほどかかり、その間BDO口座とBPI窓口を併用していました。

BPIオンラインバンキングの登録手順

ATMカードが届いたら、BPI Online Bankingへの登録を済ませることを強くおすすめします。登録後は残高確認・振込・公共料金の支払いがすべてオンラインで完結し、支店に足を運ぶ機会が大幅に減ります。

登録手順(概要):

  1. BPI公式サイト(bpiexpressonline.com またはbpi.com.ph)にアクセス
  2. 「Enroll Now」または「Online Banking」を選択
  3. 口座番号・ATMカード番号・生年月日などを入力
  4. 登録メールアドレス・携帯番号を設定(確認コードが送信されます)
  5. ユーザーID・パスワードを設定して登録完了

BPI appも同様の操作でモバイルから登録可能です。個人的な印象として、BPIのオンラインバンキングは動作が安定しており、残高確認・他口座への振込(PESONet/InstaPay対応)・BPI同士の即時振込がスムーズに行えました。UIは英語のみですが、操作フローが直感的なため迷いにくいです。

ログインにはID・パスワードに加えてワンタイムパスワード(OTP)が必要で、登録した電話番号にSMSで送られてくる仕組みです。帰国後もフィリピンのSIMを維持し続けているのは、このOTP認証を受け取り続けるためという側面もあります。

口座維持に必要な最低残高と手数料の詳細

BPI普通預金口座(Regular Savings)の維持にはADB(Average Daily Balance:月次の平均残高)の管理が必要です。

項目 目安(筆者在籍当時)
最低ADB PHP 3,000前後
ADB未達時の月次手数料 PHP 200〜300前後
口座休眠までの期間 取引なしで概ね2〜5年
休眠口座の管理手数料 一定期間後に発生

※金額は2013〜2020年当時の情報です。現在の条件はBPI公式サイトでご確認ください。

給与を毎月受け取っていた筆者は最低残高を意識する必要がありませんでしたが、帰国後・退職後に残高が少なくなりがちな場合は注意が必要です。フィリピン帰国後も口座を残しておく場合は、残高の管理と解約のタイミングを計画しておくことをおすすめします。

BPIキャッシュカードの使い勝手(ATM・コンビニ)

BPIのATMカードはBancNetネットワークに対応しており、BPI自行ATMのほか、他行のBancNet加盟ATMでも利用できます。

ATMの設置場所: マカティのアヤラ通り沿い・グロリエッタ周辺・SMモール・空港内など、生活圏のほぼどこにでもBPIのATMが設置されていました。体感として、マカティ中心部でのATM遭遇率はBDOよりBPIの方が高く、「ATMを探す」手間をほとんど感じませんでした。

コンビニATM: セブン-イレブンにATM(BancNet対応)が設置されている店舗では、BPIカードで現金を引き出せます。深夜や休日などに活用していました。他行ATM利用時はPHP 15前後の手数料がかかります。

引き出し上限と国際利用: 1回あたりの引き出し上限はPHP 10,000〜20,000が目安(カード種別・ATMによって異なります)。海外(日本帰国中など)でのATM利用も可能ですが、為替手数料と国際ATM手数料が上乗せされます。

BPI Trade(証券口座)との連携

BPI口座の最大のメリットの一つが、BPI Tradeとのシームレスな連携だ。BPI Tradeはフィリピン証券取引所(PSE)での株式売買や、UITF(フィリピンの投資信託)の購入ができる証券サービスで、BPI銀行口座と直結している。

株式の購入代金を銀行口座からBPI Trade口座に移動する際、BPIアプリから数ステップで完結する。他行口座から資金を移動する場合と比べて手間が大幅に省ける。PSEでのIPO参加や個別株の売買を繰り返す中で、この使い勝手の差は積み重なって大きなメリットになった。

UITFの購入もBPIアプリから行えるため、銀行預金・株式・投資信託の管理を一つのアプリでまとめることができた。BPI Tradeの具体的な開設手順は別記事で詳しく解説している。

駐在員ならではの使い方

給与をBPIで受け取り、生活費・投資資金として活用。日本への送金は両替して現金で持ち帰る方法をとっていました。

現在であれば、海外送金にはWiseが便利だ。BPI口座からWise経由で日本の口座に送金できるため、現金を持ち帰るリスクを避けた選択肢として検討できる。

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給与受け取り口座として7年使った実感

7年間を通じて、給与の受け取り口座としてBPIに不満を感じたことはほとんどありませんでした。毎月の給与振込は安定しており、BPI Online Bankingで即時に確認できる点は大変便利でした。

体感として、フィリピンの銀行振込はシステムメンテナンスや祝日の前後に処理が遅れるケースが稀にあります。給与支払日が土日・祝日に重なった場合の入金タイミングは、会社の経理担当に確認しておくのが無難です。

給与以外にも、BPI Tradeを通じたPSE株式の投資資金管理・BPI UITFの積み立てをすべてBPI口座に集約できた点は、口座を複数持たずに済む利便性につながっていました。「給与口座・投資口座・日常使い口座」を1行で完結できたことが、BPIをメインにし続けた最大の理由です。

2020年の帰国後も現在までBPI口座を維持しています。維持している理由は、BPI Tradeを通じたPSEへの投資を継続しているからです。口座を閉じてしまうと株式の売買や配当の受け取りができなくなるため、維持するメリットが続いています。帰国後にできることとしては、アプリ経由での残高確認・資金移動・BPI Tradeでの株式売買があります。一方で窓口での手続きが必要な場面(カード更新など)は、フィリピン訪問のタイミングにまとめて対応する必要があります。

注意点

  • 書類不備で複数回足を運ぶ可能性あり
  • 支店によって対応が異なる場合がある
  • 英語でのやり取りが必要

トラブル・困ったこととその対処法

7年間でいくつかのトラブルを経験しました。同じ状況になった方の参考になれば。

ATMカードが突然使えなくなった PINを複数回連続で間違えると、カードがロックされます。筆者も一度ロックしてしまい、BPI支店のカスタマーサービス窓口でパスポートとACR Iカードを提示してロック解除を依頼しました。解除は当日できますが、支店が開いている時間内に行く必要があります。深夜や週末に起きると翌営業日まで待つことになるため、PIN管理には注意が必要です。

オンラインバンキングのアカウントがロックされた ログインの連続失敗でオンラインバンキングがロックされたことがあります。BPIのカスタマーサービス(電話またはメール)に連絡するか、支店窓口でIDを提示してリセットしてもらいました。問い合わせ先は登録したメールアドレスに届くウェルカムメールに記載されているため、受信後に保存しておくことをおすすめします。

支店によって書類確認の厳しさが違った 同じBPIでも支店によってスタッフの確認基準が異なると感じた場面がありました。特に残高証明書の発行などは、支店によって「当日発行可」「数日かかる」と対応が分かれることがありました。重要な書類が必要な場合は余裕を持ったスケジュールで動くことをおすすめします。

BDOとの比較・使い分け

開設しやすさの比較

項目 BDO BPI
外国人への対応 柔軟な印象 やや厳格な印象
必要書類の数 標準的 同等〜やや多め
待ち時間 長い 比較的短い
英語対応 支店による 比較的安定
オンラインバンキング 普通 使いやすい

※個人の体験・印象です。支店・時期により異なります。

両方持ったほうがいい理由

BDO・BPI両行の口座を7年間保有した経験から言うと、両方あると便利だった。それぞれ得意な役割が異なり、使い分けることで生活と投資の両面がスムーズになった。

BPIをメインにした理由は、BPI Tradeとのシームレスな連携だ。フィリピン株の購入・売却・資金の入出金がBPIアプリ上でほぼ完結する。給与受け取り口座としてBPIを使っていた時期もあり、生活費の管理と投資資金の管理をBPI一行でまとめられた。

BDOをサブにした理由は、ATMの台数と分布の広さだ。フィリピン国内のどこに行ってもBDOのATMが見つかり、現金を引き出す手段としての安心感がある。一部の支店には日本語対応窓口もあり、英語でのやり取りに不安がある場面のバックアップとしても機能した。

7年間の使い分けを一言で言うと「日常の現金引き出しはBDO、送金・投資・口座管理はBPI」だった。この使い分けが最も快適で、どちらか一行だけでは補えない部分を互いにカバーしていた。

迷っている人へのアドバイス

「BPIとBDO、どちらで口座を開くべきか?」は駐在員・現地採用者からよく聞かれる質問です。筆者なりの整理をお伝えします。

BPIをおすすめする場合:

  • 英語でのやり取りに問題がない方
  • マカティ中心部でのATM利便性を重視する方
  • BPI Trade(投資口座)やBPI UITFとまとめて管理したい方
  • オンラインバンキングをメインに使いたい方

BDOをおすすめする場合(または両方開設する場合):

  • 赴任直後で英語に不安がある方(BDOの日本語窓口が強力な助け)
  • 会社がBDO指定の給与口座を指定している方
  • 重要な手続き(残高証明・住所変更など)を日本語でサポートしてもらいたい方

筆者は結果的にBPIをメイン・BDOをサブとして7年間両方を保有しました。「どちらか一方だけ」と決めるよりも、両方開設して使い分けるのが最も現実的な結論です。ただし最初の1枚を選ぶなら、英語に問題なければBPI、不安があればBDOからスタートすることをおすすめします。

まとめ

書類さえ揃えれば難しくありません。**ACR Iカードの準備を最優先で。**就労ビザ・ACR-IカードなしではBPI口座の開設は難しいと考えておいた方がいいでしょう。観光ビザでの滞在中に口座を開こうとした場合、断られるケースが多いです。

TINも口座開設の要件として必要になるため、先に取得しておくと手続きがスムーズになります。就労ビザ取得後、なるべく早い段階でBIRでのTIN取得手続きを進めておくことをおすすめします。

BPI Tradeでのフィリピン株投資を考えているなら、BPI口座は実質的に必須です。証券口座と銀行口座の連携という観点では、BPIの組み合わせが最もスムーズに機能します。BDOのみで口座を持っている場合でも、投資を始めるタイミングでBPIを追加開設することを検討する価値があります。

※この記事は2013〜2020年の体験をもとにしています。現在の手順・必要書類は変更されている可能性があります。必ず最新情報をBPI公式サイトでご確認ください。