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PSE投資

Chelsea Logistics(C)をIPOで買って9年保有した結果|10.68PHPが0.85PHPになるまで

2017年のIPOでChelsea Logistics(C)を10,000株取得し、そのまま保有し続けた。現在の株価は0.85PHPで取得価格の92%が失われている。フィリピン最大の海運・物流グループのIPOの実態を記録する。

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Chelsea LogisticsのIPOに参加したのは、フィリピンの海運業に将来性を感じたからだ。フィリピンは7,000以上の島からなる国で、島と島をつなぐ海運は経済の根幹だと思っていた。もう一つ正直に言うと、BDO Securitiesの口座を開設したばかりで、その口座でも投資してみたかったという気持ちがあった。

Chelsea Logistics(C)をIPOで買って9年保有した結果

2017年8月、Chelsea Logistics Holdings Corp.がPSE(フィリピン証券取引所)に上場した。IPO価格は10.68PHP。10,000株を申し込み、全株取得した。それから約9年が経過した2026年5月時点での株価は0.85PHP。取得価格から92%が失われている状態で、今も10,000株をそのまま保有している。

この記事は、その経緯を事実として記録するものだ。


Chelsea Logisticsとはどんな会社か

Chelsea Logistics and Infrastructure Holdings Corp.(ティッカー:C、旧ティッカー:CLC)は、フィリピン最大級の海運・物流グループのひとつだ。

事業は複数のセグメントに分かれている。タンカー部門では石油や化学品の海上輸送を手がける。タグボート部門では曳船や海難救助を行う。RORO(ロールオン・ロールオフ)旅客船部門ではフィリピン国内の島嶼間輸送を担う。そのほか、倉庫・物流サービスや、船舶管理・船員派遣業務も展開している。

この会社を率いるのがDennis Uyだ。セブを拠点とする実業家で、フィリピン有数の財閥系企業グループ「Udenna Corporation」の創業者でもある。Chelsea Logisticsはそのグループの中核会社として位置づけられていた。

フィリピンは7,000以上の島々からなる島嶼国家であり、島間の輸送は船舶に依存する部分が大きい。海運はフィリピン経済の根幹を支えるインフラであり、その点でChelsea Logisticsは成長市場に位置する会社だった。


2017年のIPO参加の背景

IPOの申込期間は2017年7月24日から31日。上場日は2017年8月8日だった。

当時のフィリピンはロドリゴ・ドゥテルテ大統領政権の下、「Build Build Build」と呼ばれる大規模インフラ投資政策が推進されていた。道路・橋梁・港湾・鉄道など、インフラ整備への政府支出が大幅に拡大する計画が発表されており、フィリピン経済全体への楽観的な見方が広がっていた時期だ。

Dennis Uyという人物への注目度も高かった。ドゥテルテ大統領と同じミンダナオ島出身であることから、政権との関係性を期待する見方があった。実際、当時のドゥテルテ政権は地方出身のビジネスパーソンへの支援姿勢を示しており、Dennis Uyはそのシンボル的な存在のひとりとして語られることが多かった。

フィリピン最大級の海運グループのIPO、インフラ政策の追い風、Dennis Uyという経営者への期待。こうした要因が重なった形で、BDO Securitiesを通じて10,000株を申し込んだ。全株取得できた。


上場初日と、そこからの下落

上場初日の2017年8月8日、株価は11.22PHPの高値を記録した。IPO価格10.68PHPからは約5%の上昇だ。これが現在に至るまでの上場来高値となっている。

その後、株価は下落トレンドに入った。上場から間もない時期に上場来高値をつけ、あとは右肩下がりというパターンは、IPO銘柄ではよく見られる動きだ。Chelsea Logisticsはそのパターンに沿った値動きをたどった。

売却のタイミングを逃し、そのまま保有を続けた。


保有を続けた9年間

2018年以降、Dennis Uyのグループは急速な多角化を進めていった。PH Resorts(リゾート・ホテル事業)、Dito Telecommunity(旧Mislatel、通信事業)など、海運以外の分野への投資が相次いだ。

Dito Telecommunityへの投資は特に注目を集めた。フィリピン市場に第三の通信キャリアを誕生させるという大型プロジェクトであり、中国資本との合弁という構造もあって国内外で話題となった。しかし、通信事業への多額の投資はグループ全体の財務に重くのしかかったとされている。Chelsea Logisticsもその影響と無縁ではなかったとの見方がある。

2019年5月には社名が「Chelsea Logistics Holdings Corp.」から「Chelsea Logistics and Infrastructure Holdings Corp.」に変更された。インフラ事業への展開を明確化した変更だが、株価の回復には結びつかなかった。

2026年3月19日には株価が0.75PHPまで下落し、上場来安値を記録した。その後やや戻し、2026年5月時点では0.85PHPで推移している。

直近の業績も厳しい。2026年第1四半期の純損益は約−1億520万PHP(赤字)で、収益面での改善は見えにくい状況が続いている。


損益の整理

数字を整理しておく。

項目 金額
取得株数 10,000株
IPO取得価格 10.68PHP/株
元本 106,800PHP
現在株価(2026年5月時点) 0.85PHP
現在評価額 8,500PHP
損益 約−98,300PHP(約−92%)

元本106,800PHPに対し、現在の評価額は8,500PHP。差し引き約98,300PHPが失われている。率にすると約92%のマイナスだ。

配当については記録していないが、近年の業績から考えても配当収入で損失を埋めるレベルには至っていない。


振り返って

IPO参加の判断は、Dennis Uyという実業家への期待とフィリピン海運業の成長性に基づいていた。フィリピンの地理的特性から海運には構造的な需要があると考えたこと、「Build Build Build」政策によるインフラ投資拡大への期待があったこと、IPO価格が適正に見えたこと、これらが重なっての参加だった。

上場初日が高値となり、その後は一貫して下落したという結果は、結果論として見れば上場直後に売却すべきだったということになる。ただし当時の判断として「5%上昇したタイミングで即売却する」という選択肢が現実的だったかというと、そうではなかった。長期保有の前提で取得したという事情もある。

その後の保有継続については、特に積極的な理由があったわけではなく、売り時を逃したままここまで来たというのが実態だ。SHLPH(SuperFerry/Starlite)やCHP(CHP Holdings)といった、同様にIPOで取得してそのまま保有し続けた銘柄と同じ経過をたどっている。

フィリピン株のIPO銘柄、特に創業者個人のカリスマや政治的関係性を材料にした銘柄については、上場後の業績が株価を規定するという当たり前の事実を改めて確認することになった。

現在も10,000株を保有中だ。評価額8,500PHPは口座の中で存在しているが、どうするかはまだ決めていない。


※本記事は個人の投資体験の記録です。投資は自己責任でお願いします。

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