BDO NomuraはBDO Securitiesに統合|PSE投資口座の変遷と現状
はじめに
「BDO Nomuraで口座を開きたい」「BDO Nomuraはどうなった?」と検索してこの記事にたどり着いた方へ。結論から言うと、BDO Nomuraは2020年にBDO Securitiesに統合されました。サービス自体は継続しています。
BDO Nomuraとは何だったか
BDO NomuraはBDOと野村ホールディングスの合弁で2016年1月に設立されたオンライン証券サービスです。口座開設はオンラインで完結でき、BDO銀行口座との連携が便利でした。
設立当時のフィリピン株(PSE)への個人投資はまだ普及途上にあり、既存のオンライン証券サービスはUIが古く・英語への対応もまばらで、個人投資家にとって敷居が高い状況でした。そこに登場したBDO Nomuraは、比較的シンプルな画面設計と、BDO銀行口座からの即時資金移動という利便性を武器に、フィリピン市場への参入を検討していた個人投資家に注目されました。
日本人駐在員の間でも「野村」の名前が持つブランド信頼感から関心を持つ人が少なくありませんでした。実際には取引画面・サポートともに英語のみでしたが、個人的な印象として、同時期の他のフィリピン系ブローカーと比べてサービスの洗練度が一段上だと感じていました。UIの視認性・入出金フローのスムーズさは当時のBPI Tradeにも引けを取らなかったと記憶しています。
なぜBDO Nomuraはなくなったのか
2020年6月、野村ホールディングスがBDO Nomura Securitiesの49%株式をBDOに売却し、合弁解消を発表。その後BDOが完全買収し、BDO Securities Corp.に吸収合併されました。
背景として、野村ホールディングスが2019〜2020年にかけてグローバルの海外事業を選別・縮小する方針を打ち出したことがあります。フィリピン市場での合弁維持の戦略的優先度が下がったと見られており、BDO Nomuraはその再編の対象になりました。顧客への告知はメールで事前に行われ、「既存口座はBDO Securitiesへ自動移行される」という案内が届く形でした。
統合時に既存口座はどうなったか(実体験)
筆者のBDO Nomura口座は、特段の手続きを踏まずにBDO Securitiesへ自動移行されました。保有していたPSE株式・UITFの残高も引き継がれており、資産が消えたり手続きが煩雑になったりという事態はありませんでした。
移行後に変わった点としては、ログインポータルのURLが変更になったことと、一部機能の配置が入れ替わったことが挙げられます。新しいプラットフォームへの最初のログイン時にパスワードの再設定を求められたため、案内メールは必ず確認・保存しておくことをおすすめします。
体感として、統合から最初の数週間は「どこに何があるかわからない」という戸惑いがありましたが、基本的な株式売買・残高確認の操作は1〜2週間で慣れました。BDO Nomuraから移行した既存ユーザーへのサポート対応は、筆者が利用した限りでは特に問題ありませんでした。
現在:BDO Securitiesとして継続中
BDO Nomuraはなくなりましたが、サービス自体はBDO Securitiesとして継続しています。
現在BDO Securitiesでできること:
- PSE個別株の売買
- UITFへの投資
- オンライン・アプリでの取引
- BDO銀行口座との連携
BDO Securitiesの口座開設手順
現在のBDO Securitiesへの新規口座開設は、オンラインでほぼ完結できます。大まかな流れは以下のとおりです。
1. BDO Securities公式サイトからオンライン申請 公式ウェブサイトの「Open an Account」から申込フォームを入力します。氏名・住所・連絡先・投資経験などの基本情報を英語で記入します。
2. 必要書類のアップロード 外国人の場合、以下の書類の写しが必要になります。
- 有効なパスポート(顔写真ページ)
- ACR Iカード(外国人登録証)
- 署名見本(申込書に含まれる場合あり)
- BDO銀行口座情報(口座番号・名義)
3. 審査・口座番号の発行 提出書類に問題がなければ数営業日以内に口座番号が発行されます。メールで通知が届くため、迷惑メールフォルダも確認してください。
4. 資金の入金 BDO銀行口座からBDO Securities口座へ資金を移動します。BDO Online Bankingから直接送金できるため、入出金の手間は最小限です。
5. 取引開始 入金が確認されれば、PSE株式やUITFの売買が可能になります。
旧BDO Nomura時代と比べて、書類提出がよりデジタル化されています。
BDO Securitiesの取引画面・使い勝手
BDO Securitiesの取引はウェブブラウザとモバイルアプリの両方から行えます。
ウェブ版: 株式の検索・注文入力・ポートフォリオ確認といった主要機能が一画面に収まっており、操作性は標準的です。成行・指値の両方の注文形式に対応しています。ポートフォリオ画面では保有株数・平均取得単価・評価損益がリアルタイムで確認できます。
モバイルアプリ: スマートフォンでの売買も可能で、プッシュ通知で約定確認が届きます。出先でもポートフォリオ確認や注文変更ができる点は便利でした。
個人的な印象として、BPI Tradeのウェブ画面と比べると情報の密度・UIの直感性ではほぼ同等と感じていました。チャート機能はどちらも最低限の水準で、テクニカル分析を重視する投資家には物足りないかもしれません。フィリピン在住者がPSEに投資する入口としては十分実用的です。
手数料の比較(BDO Securities vs BPI Trade)
PSEでの株式売買にかかるコストは、ブローカー手数料に加えてPSE・SECへの諸費用が発生します。両社の構造は概ね以下のとおりです。
| 費用の種類 | BDO Securities | BPI Trade |
|---|---|---|
| ブローカー手数料 | 約0.25%(最低手数料あり) | 約0.25%(最低手数料あり) |
| PSE取引費用 | 約0.005% | 約0.005% |
| SEC・SCCP費用 | 合計約0.02% | 合計約0.02% |
| 印紙税(DST) | 買いのみ0.15% | 買いのみ0.15% |
| VAT | ブローカー手数料の12% | ブローカー手数料の12% |
手数料率の構造そのものはPSEの規制によりほぼ共通です。実際の取引コスト(往復)は取引金額の1〜1.5%程度になることが多く、この点は両社で大きな差はありませんでした。最低手数料の具体額は時期や口座種別によって変動するため、開設前に確認することをおすすめします。
統合後に不便になった点・便利になった点
不便になった点:
- プラットフォームのUIが変わり、慣れるまで操作に手間取った
- 一部機能(注文履歴の見やすさなど)が旧BDO Nomuraより使いにくくなったと感じる場面があった
- カスタマーサービスへの連絡窓口が変わり、問い合わせ先の確認に手間がかかった
便利になった点:
- BDO銀行グループとしての統一感が増し、BDO銀行口座との連携がよりシームレスになった
- UITFのラインナップが整理・充実した印象があった
- BDO Securitiesとして完全にBDOグループに統合されたことで、サービス継続への安心感が生まれた
体感として、「不便になった」と感じたのは移行直後の数週間に集中しており、慣れてしまえば日常の投資操作に支障はなくなりました。
BPI TradeとBDO Securitiesの比較
| 項目 | BPI Trade | BDO Securities |
|---|---|---|
| 旧名称 | BPI Trade | BDO Nomura |
| 銀行連携 | BPI口座 | BDO口座 |
| 口座開設 | 支店相談+オンライン | オンライン |
| IPO申し込み | 支店訪問が必要 | オンラインで完結 |
| 取引画面 | シンプル・使いやすい | 標準的・機能的 |
| 手数料率 | ほぼ同等(約0.25%) | ほぼ同等(約0.25%) |
| 筆者の使い方 | メイン | サブ |
IPO申し込みのしやすさという点では、オンラインで完結するBDO Securitiesに明確な優位性があります。BPI TradeでのIPO参加に支店訪問が必要だった時期には、IPO案件だけBDO Securitiesを使うという使い分けをしていました。
BDO Securitiesを今も使い続けているか・その理由
筆者は駐在終了後もしばらくBDO Securities口座を維持していました。理由は主に二つです。
ひとつはBDO銀行口座との連携です。BDO銀行口座を引き続き保有していた関係で、BDO Securities口座も残しておく方が資金管理がシンプルでした。
もうひとつはIPO用口座としての存在価値です。前述のとおりIPOのオンライン申し込みができるBDO Securitiesは、BPI TradeのIPO手続きと比べて利便性が高く、フィリピンIPOへの参加を続ける限り維持する理由がありました。
ただし日常的なPSE株式の売買はBPI Tradeをメインとして使い続けており、BDO Securitiesの役割はあくまでサブ口座・IPO用という位置づけが変わることはありませんでした。駐在が終わった後は投資活動自体を縮小した経緯もあり、現在の口座の活用状況については状況が変わっています。
まとめ
BDO Nomuraを探していた方へ。サービスは終了していますが、BDO Securitiesとして継続しています。
※この記事は2013〜2020年の体験をもとにしています。現在の状況は変更されている可能性があります。必ず最新情報をご確認ください。
※投資は自己責任でお願いします。