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PSE投資

Metro Retail Stores Group(MRSGI)をIPOで買って11年保有した結果|3.99PHPが1.16PHPになるまで

2015年のIPOでMRSGIを20,000株取得し、そのまま保有し続けた。ビサヤ地方を中心に展開するスーパーマーケットチェーンの株価は、取得価格から71%下落した現在も保有を続けている。

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MRSGIのIPOに申し込んだ最大の理由は、公募価格が3.99PHPと他の銘柄に比べて安かったことだ。同じ予算でより多くの株数を取得できると思い、20,000株申し込んだ。他の銘柄が5,000〜10,000株だったのに対してMRSGIだけ倍の株数になったのはそのためだ。ビサヤ地方のスーパーマーケットチェーンという事業内容は、正直あまりよく知らなかった。

Metro Retail Stores Group(MRSGI)をIPOで買って11年保有した結果

2015年11月、Metro Retail Stores Group, Inc.がPSE(フィリピン証券取引所)に上場した。IPO価格は3.99PHP。20,000株を申し込み、全株取得した。それから約11年が経過した2026年5月時点での株価は1.16PHP。取得価格から71%が失われている状態で、今も20,000株をそのまま保有している。

この記事は、その経緯を事実として記録するものだ。


Metro Retail Stores Groupとはどんな会社か

Metro Retail Stores Group, Inc.(ティッカー:MRSGI)は、フィリピン第2位規模のスーパーマーケット・小売チェーンだ。

運営ブランドはMetro Supermarket、Metro Hypermarket、South Superstore、Foodaの4系統。セブ・イロイロ・バコロドといったビサヤ地方の主要都市に強い基盤を持ち、ミンダナオ地方にも展開している。フィリピンの小売業といえばマニラ首都圏の印象が強いが、MRSGIはその外側の地方市場で存在感を持つチェーンだ。

競合はSM Supermarkets(SMグループ)、Robinsons Supermarket(JGサミットグループ)、Puregold(Puregold Price Clubグループ)など、いずれもフィリピンを代表する財閥系の大手チェーン。これらと同じ土俵で地方市場を争う立ち位置にある。

マカティに在住していた筆者にとって、MRSGIは日常的に利用するチェーンではなかった。マカティ周辺にはSMやRobinsonsの店舗が充実しており、MRSGIの店舗に足を運ぶ機会はほとんどなかった。ただし、セブやイロイロを訪れた際に現地で目にすることはあり、地方都市における存在感の大きさは実感していた。


2015年のIPO参加の背景

上場日は2015年11月24日。IPO価格は3.99PHPだった。

2015年当時のフィリピンは、GDP成長率が年率6〜7%台を記録し続けていた時期だ。人口増加・中間層の拡大・消費市場の成長を背景に、小売業への期待が高まっていた。地方都市の経済成長も続いており、マニラ一極集中から地方分散への流れが語られていた。ビサヤ・ミンダナオという地方市場に強いMRSGIは、その流れに乗れる銘柄として映った。

証券口座はBPI Tradeを使った。20,000株を申し込み、全株取得した。

IPO価格3.99PHPという水準は、同時期に取得した他のフィリピン株銘柄と比べて低い。1株あたりの価格が低い分、同じ予算でより多くの株数を取得できる。今回の保有銘柄の中で20,000株という株数はMRSGIが最も多いが、それはこのIPO価格の低さによるものだ。元本は79,800PHP。他の銘柄と同程度の投資額だ。


上場後の株価推移

上場初日から株価はIPO価格を上回る水準で推移し、2016年8月8日に6.00PHPの上場来高値を記録した。IPO価格3.99PHPからは約50%の上昇だ。取得から約9ヶ月で1.5倍になった計算になる。

しかし、この高値が天井となった。その後は下落トレンドに転じ、回復することなく水準を切り下げていった。

2020年、新型コロナウイルスのパンデミックがフィリピンを直撃した。フィリピン政府はマニラ首都圏を中心に、アジア最長クラスのロックダウンを実施した。スーパーマーケットは生活必需品の供給拠点として一定の営業を続けることができたが、客数の減少・衛生対応コストの増加・物流の混乱が業績を圧迫した。2022年10月3日には1.09PHPの上場来安値を記録した。

その後わずかに回復し、2026年5月時点では1.16PHPで推移している。上場来高値6.00PHPからは81%の下落、IPO取得価格3.99PHPからは71%の下落という水準だ。


20,000株という株数について

MRSGIは保有6銘柄の中で株数が最も多い。その理由はIPO価格の低さだ。

1株3.99PHPという価格は、他のフィリピン株IPOと比べて安い水準だった。同じ予算を投じた場合、株価が高い銘柄よりも多くの株数を取得できる。結果として20,000株という株数になった。

損益で見ると、損失率は約71%だが、損失額の絶対値は約56,600PHP。保有6銘柄の中では損失額として比較的小さい部類に入る。ただしこれは元本が約79,800PHPと他より少ないためであり、損失率が小さいわけではない。

株数が多いと、1株あたりの株価変動が損益に与える影響は相対的に大きくなる。1.16PHPから2.00PHPに回復するだけで損益は約16,800PHP改善される計算だ。逆に0.50PHP下落すれば10,000PHPの損失が加算される。


配当について

MRSGIは年間0.06PHPの配当を支払っている。現在の株価1.16PHPに対する配当利回りは約5%だ。

20,000株保有の場合、年間配当は20,000株 × 0.06PHP = 1,200PHPとなる。円換算すると、為替レートによるが数千円程度の水準だ。

損失額約56,600PHPと比較すれば、1,200PHPの年間配当は焼け石に水というほかない。取得から11年間、仮に毎年配当を受け取り続けたとしても累計13,200PHP程度であり、元本の損失には遠く及ばない。

ただし、配当が支払われていること自体は保有を続ける理由のひとつではある。株価が大幅に下落した状態であっても、会社がキャッシュを生み出して株主に還元している事実は、事業継続性の一つの指標となる。損切りをしない理由としては弱いが、保有を続ける心理的な根拠のひとつになっている。


損益の整理

数字を整理しておく。

項目 金額
取得株数 20,000株
IPO取得価格 3.99PHP/株
元本 79,800PHP
現在株価(2026年5月時点) 1.16PHP
現在評価額 23,200PHP
損益 約−56,600PHP(約−71%)
年間配当(概算) 約1,200PHP

元本79,800PHPに対し、現在の評価額は23,200PHP。差し引き約56,600PHPが失われている。


振り返って

2015年当時の投資判断の根拠は、フィリピンの個人消費拡大と地方市場の成長だった。大きなテーマとしては誤っていなかった。フィリピンの中間層は確かに拡大し、地方都市の消費市場も成長した。ただし、「マクロの成長が個別企業の株価上昇に直結する」という前提は成立しなかった。

MRSGIが直面した課題はいくつかある。SM・Robinsons・Puregoldという財閥系大手との競争は継続しており、資本力・店舗数・物流網で劣る地方チェーンが競争優位を維持するのは容易ではない。コロナ禍のダメージに加え、Eコマースの浸透という小売業全体を揺るがす構造変化も重なった。

6銘柄の中では損失額が最も小さい。ただし損失率は−71%であり、元本の7割以上が失われている事実は変わらない。配当を受け取りながら保有を続けているが、保有継続に積極的な根拠があるわけでもない。

現在も20,000株を保有中だ。評価額23,200PHPは口座の中で存在しているが、今後の方針は決めていない。


※本記事は個人の投資体験の記録です。投資は自己責任でお願いします。

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