フィリピン投資の失敗から学んだこと|日本・米国株に切り替えた理由
はじめに
前回の記事で、フィリピン株・UITFへの投資結果を数字のまま公開しました。合計含み損は約350万円。なお、ペソが1PHP=2.8円台だった時期の換算では約370万円に達しており、当時が含み損の最大時点です。隠さず出した以上、その後どう動いたかも書いておくべきだと思います。
この記事は、その続きです。
1. 投資歴の概要
最初に投資を始めたのは2007年です。当時は日本の個別株と投資信託からスタートしました。
ライブドアショック、リーマンショックをまともに食らいながら、それでも「長期投資は報われる」という言葉を信じて続けてきました。途中でうまくいったこともあれば、損切りしたこともあります。
投資歴だけ見れば20年近くになりますが、正直に言えば、うまかったわけではありません。
2. フィリピン投資をしていた時期
2013年、マカティへの駐在が始まりました。
現地でBPI口座を開設し、UITFの自動積立と、BPI Tradeでの個別株購入を始めたのが2014年ごろです。「現地にいるなら現地投資が有利」という根拠のない確信がありました。
結果は前回の記事の通りです。UITFは約▲15.7%、個別株3銘柄は約▲85%。2020年に帰国し、積立は停止。含み損を抱えたまま、ホールドを続けています。
3. 帰国後に投資を見直したきっかけ
帰国してから、改めて自分のポートフォリオを整理しました。
フィリピンの含み損、日本株の一部、投資信託の成績。数字を並べたとき、一つの事実が浮かびました。
「現地にいることと、投資で勝てることは、まったく別の話だった」
駐在中は、現地の空気感、ニュース、企業名を知っているという感覚がありました。でも、それは優位性ではなかった。株価は感覚では動かない。インデックスには個人の感覚は関係ない。
この当たり前のことを、お金を失って初めて実感しました。
もう一つのきっかけは、フィリピンでの7年間を振り返ったことです。生活は豊かだった。でも資産形成という観点では、同じ期間に米国インデックスに投じていれば、3倍以上になっていた計算です。機会損失は、目に見えない形で積み重なっていました。
4. 新NISAを機に、本格的にシフト
帰国後の2021年頃から、米国インデックス投資を本格的に始めました。フィリピン投資の反省を踏まえ、感覚で銘柄を選ぶスタイルをやめ、まずはS&P500への積立から再スタートを切りました。
そして2024年、新NISAが始まりました。非課税枠の拡大を機に、積立額をさらに引き上げ、投資を本格的に拡大しています。理由はシンプルです。
- 非課税枠が大きく、長期保有との相性が良い
- 積立投資の仕組みを一度設定すれば、判断が不要になる
- フィリピン投資で学んだ「市場を選ぶセンスへの過信」を排除できる
感覚で動く投資から、仕組みで動く投資へ。これが帰国後に出した結論です。
5. 現在の投資内容
マネックス証券での積立
毎月、以下の3本を積み立てています。
| ファンド | 特徴 |
|---|---|
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国大型500社に分散。長期リターンの実績が厚い。AIをはじめとするテック企業の強さが集約されており、今後も成長の中心と判断 |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | 約50カ国・3,000社超に分散。最も広い分散効果 |
| eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 日本を除く先進国。米国偏重を緩和する役割 |
3本に分けているのは、米国一極集中への不安を和らげるためです。ただし比率はS&P500が最も大きく、今のところそれを後悔していません。米国市場には、AIをはじめとするテック系企業が集中しており、その成長余力を個人が手軽に享受できる点が最大の魅力だと感じています。フィリピン株に注いだ時間と資金を思うと、皮肉ではありますが、それが正直な実感です。
高配当日本株
数銘柄、保有しています。配当収入を積み立ての補完として位置づけています。インデックスとは別に、日本円でのキャッシュフローを作る目的です。
銘柄の詳細はここでは触れませんが、業種分散と配当利回りを基準に選んでいます。
米国個別株(検討中)
将来的に、米国の個別株も一部組み入れたいと思っています。ただし現時点では研究中の段階です。フィリピン株の失敗で「よく知っているつもり」の危険を学んだので、焦りません。
6. フィリピン投資の失敗から得た教訓
率直に書きます。
新興国株には、今後投資しません。
理由は感情ではなく、数字です。フィリピン株(PSEi)は2013年のピークから長期低迷。同期間の米国株(S&P500)は3〜4倍。この差は、運ではなく構造的な差だと判断しました。
新興国は「成長余地がある」と言われますが、その成長が株価に反映されるかどうかは別問題です。外国人資金の流出入、通貨リスク、政治リスク、情報の非対称性。これらが重なると、個人投資家がまともに勝てる環境ではない、というのが実体験からの結論です。
中国株についても同様の結論です。地政学リスク、政治リスク、経済の低迷が重なっており、今後も投資する予定はありません。新興国市場全般に対して、個人投資家として優位に立てる根拠が見当たらない以上、資金を向ける理由がないというのが正直なところです。
もちろん、これは私の判断です。新興国投資で成果を出している方もいます。ただ、私には向いていなかった。それだけです。
7. 読者へのメッセージ
フィリピンに駐在していた、あるいは今している方の中には、同じように現地で投資口座を持っている方もいると思います。
現地口座の体験は価値があります。UITFの仕組みを知ること、ペソで資産を動かすこと、IPOに参加してみること。これらは経験として残ります。
でも、資産形成の主軸は別に置いた方がいい、というのが私の今の考えです。
駐在中でも、日本の証券口座でインデックス積立は続けられます。現地投資と日本投資を分けて考え、現地口座は「体験」、日本口座は「積立」と役割を決める。それが今の自分が出せる、一番正直なアドバイスです。
失敗を後悔はしていません。ただ、同じ失敗を繰り返す気もありません。
※投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。
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フィリピン株から切り替えた後、私はDMM株で日本株・米国株の取引を始めました。
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